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2010年9月 7日 (火)

本・「敗北の理由」 谷光太郎

久しぶりに谷光太郎が出た。嬉しくなって本屋に行った。作者の本はほとんど読んでいる。
半導体関係と戦略と言うかロジェスチック関係である。読んでいて考えさされる内容である。
先日山本五十六の事を書いたら、書き込みがあった。自分の浅薄な知識しかないのが露呈してしまった。
ここで指摘に対して謝意を申し上げておきたい!
又来るかも知れないのが辛いが、有難く受け取っています。
さて今回新刊かと思ったら、「情報敗戦」 の再編集の改題であった。が再読の意味を兼ねて買いました。
読み直してみて感慨深いものがあった。
日米開戦にあたりなんと希望的観測ばかりか・・・・・・・

ノモンハンの話である。作戦参謀と情報参謀の考えの違いが書かれ、いろいろ良く分かった。
ソ連の軍事行動を察知して、その火力重視の考えを知らされながら無視した作戦参謀。
日本の国力での兵力展開で、ソ連の展開をはかった。
ソ連の機動力を想像出来ずに、兵を小出しにして惨敗したようだ。
相手の兵力を正く報告しても、頭がついて行けずに、「腰ぬけ。臆病者。」 言っていたらしい。
負けた責任を取ら無かったようだ。
情報将校はソ連の報告など、頭から信じないで自分の目で調べたそうだ。
シベリア鉄道の輸送を望遠鏡でみて、実際に動いている時間、車両の数まで調べて判断したそうだ。
それを 「数字をもてあそび過ぎる!」で片付け、希望的観測に従った。
全滅の大敗を喫しても 「もう少し頑張っていたら恐らくソ連軍から停戦の申し入れがあっただろう。
とにかく戦争というものは意志の強い方が勝つ」 
これで死んでいった兵隊達、自決を強要された指揮官等は情けないと言う話では無いですネ!
肝心の作戦参謀は、うにゃむにゃで責任も取らずに終わり!
ユリウスカエサルの言った 「人は見たい現実しか見ない!」
その通りですネ!

「理外の理」 「必勝の信念」 「断じて行えば鬼神も之を裂く」

英国がドイツに屈すると根拠も無しに信じた。独ソ開戦に当たり、
北欧等からの情報を信じないで、そんな事はないだろう。
ソ連がドイツに屈服するだろう!
冷静に調べた事信じずに、ドイツ首脳の言葉を信じていたらしい。
バスに乗り遅れるな、と言う事で突っ走ったようである。
こうなると、ドイツ大島大使、イタリア白鳥大使の責任は重いですよね!
この中に、チャーチルが松岡外相にあてた秘密文書が書かれていた。
冷静に判断すればその通りで、独伊と結んでも日本には益は無い!
イタリヤ信じるべからず、と井上成美が別の本だった書いていた。
軍隊が行軍していた。小雨が落ちて来たらしい。
どうするかと思うと蜘蛛の子を散らすように雨宿りに走ったそうだ。
どこの国の軍隊も多少の小雨ぐらいでは、そのまま行軍するのが当たり前!
別の話だが、ヒトラーがムッソリーニに会いに来た時、
最新鋭戦艦「ローマ」で、ヒトラー来ているのにかかわらず、洗濯物が干してあったらしい。
都合の悪い情報、聞きたくない話は、信じて貰えなかったようだ。

 

Book2_2

開戦後、アメリカから帰国して、海軍エリート参謀に、アメリカの造船能力等を報告したら、
頭から信じてくれない。根拠はなく願望である。
「君はあちらの事が良く見えるんだろう!」
全く都合の悪い情報は信じなかったらしい。

陸軍参謀。最後は 「米軍の戦法は理詰めであった。特別な戦術は無い。
ただ力の正確な集中だけが彼らの持つ科学的戦術であろう。
無理を有理とすることを戦術の妙諦と心得たのは貧乏人のやりくり算段であった!」
「日米両軍の武器の差が分かった。だが今からでは間に合わない!」
これがノモンハン以来の参謀の言った事でらしい。責任も取らずに・・・・・・
兵は死に切れませんよネ!

情報参謀は静かでおとなしい学者肌の人が多かったようだ。
作戦参謀は、何事も威圧して、精力絶倫と言う豪傑肌の人が多かったようだ。

官僚が責任をとらない事について、「責任を取らされると優秀な人が来ない」 と言っていた官僚がいる。
馬鹿にしているとしか思えませんよネ!
時代は変わっても何も変わっていないと言う事か。

明治と昭和の軍人の違いも書いてあった。今の政治家の話かと思った。
明治の指導者は責任逃れをしなかったようだ
司馬遼太郎、「坂の上の雲」 に書かれているが、英国かロシアか、
どちらと同盟を結ぶかとの時、過去条約を調べたら、英国は条約を守る。
ロシアは破る事の常習犯らしい!それもあり日英同盟に走った!
第2次世界大戦の最後に、ソ連に仲裁役を求めた。
最後に侵攻された国を信じたようである。
各方面から満州侵攻の情報がありながら、そんな事はない。
これも希望的願望だったようですネ!

読んでいると今の話かと思う!
再読して良かった。
戦史に興味の無い人には退屈かもしれませんネ!
情報・暗号関係の話も出ていた。
日米の考え方の違いも良く分かる。
これらは又改めて書いてみたい。

「敗北の理由」・谷光太郎2

 

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