司馬遼太郎 歴史のなかの邂逅〈8〉ある明治の庶民
祖父・福田惣八の生涯を幕末維新史の点景として描く三篇のほか、日本人全般を論じた五篇、さらに劉邦、八大山人、ゴッホなど世界史のなかの天才の魅力を語る諸篇を収録。
歴史小説の巨人が遺した人物エッセイの集大成・全八巻、ここに完結。
これが最後にまとめたエッセイ集になる。
時代は明治に入っている。著者の祖父、父が描かれる。
私自身の出身は、兵庫県であり高砂、尼崎に暮らした。今は神戸だが・・・・・・
なので播磨地方はよく知っている。
知り合いも多い・・・・・
英賀保とか三木とかが出て来ると、親近感を持ってしまう。読んでいて楽しい。
このエッセイ集では、日本人の事が出て来る。
明治維新の名前。
通称とナノリがある。
有名な、西郷吉之助隆盛!実際は隆永だった・・・・・
弟は従道だが、これを音読みするとジュウドウとなり従道となった。
二人ともこだわってはいなかったようだ。おおらかだ・・・・・
江藤新平は、通称の新平をを名前にした。
色々あったんだろうと思う。
秀吉と朝鮮使節の話があった。
まず幕末の話がある。
中国とイギリスの交渉だが、テーブルの位置が悪いと言って、イギリス外交官は自分で席を変えた。
これは驚きだったようだ。
中国の大官の意識はそんなものだと!奴婢を沢山使い、出入りには乗り物を使い、自分で労働すなんてことはない。
朝鮮も中国の影響を受けている。
秀吉をどうも馬鹿にしたようだ。
軽薄のエネルギー??????
大気が天下をとらせる。著者がよく言う、足利尊氏は気前よく土地を分けたので天下をとれた。
家康はどうだったんだろうか?
蒲生氏郷が、あの吝嗇さでは天下は取れないと断言したが、待ったかいがあり取れた!
氏郷は家康を認めたくなかったんだろうと思う。
秀吉もどうだったか・・・・・・
関ヶ原の合戦後、勝者の軍勢が増えている。負けた方の軍勢が紛れ込んでいる。
狭い日本だ!知り合いもいるだろう・・・・
家康はほっておいた。そう言う空気を読めるぶしょうだったようだ・・・・・
この時、大活躍したのが、大好きな藤堂高虎だ。
外様でありながら准譜代と言う扱いをうけた!
これで徳川の先鋒は、譜代の伊井と外様の藤堂と決められた。
幕末の鳥羽伏見の戦い!徳川の負けが決定的になると、砲門の向きを変えて徳川に砲撃した!
他の小説だが、これを「錦の旗」があがったからという記述もある。
元から勤王の精神を持っていたからと・・・・
一発でこの作家が嫌いになったが・・・・・・
それより著者の、藩祖高虎の体臭がしみついている、の方が正解なのでは?
桜田門外の変で暗殺された、伊井直弼!
この井伊家は勤王につくか、徳川に殉じるかと1万3千人の藩士に問うた!
佐幕はたった4人だったと言う。
日本史のおもしろさはここにあると言う。
変革期もすぐに片付く!
誇って良い物なのか?それとも情けなく思うべきなのか?
権力には礼こそ皇帝をして皇帝たらしめる。権威には装飾がいる?????
神がかりと言うべきか?
劉邦の話になる。嫌っていた儒者の意見を取り入れる。
秀吉はそうはならななかった・・・・
豊臣の殿中はガラが悪い。
関ヶ原後、三成嫌いだった浅野幸長が嘆いたそうだ。
三成がいたころはこんなではなかったと・・・・・・
記者時代に天皇陛下と鉢合わせした話もある。
著者の好きな中国の話が記述されて、最後にゴッホが記述されている。
ありきたりの美術家より著者のエッセイの方が分かり易いと思うが・・・・・・
世界の名画のゴッホのところで記述している。著者に頼んだ人は見る眼があるのだろうと思った・・・・
このシリーズ、8巻読み終わったが、久ぶりの著者の本で大変面白かった!
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