« 映画・『エンド・オブホワイトハウス』、『ホワイトハウスダウン』 ・似て似ざるものか? | トップページ | 管見妄語 大いなる暗愚・藤原 正彦 »

2014年3月 9日 (日)

本・西の関ヶ原・滝口康彦

天下分け目の大合戦「関ヶ原合戦」と 時を同じくして勃発した九州「石垣原の戦い」。「大大名大友家を傾けた男」としての悪名を背負いながらも大友家再興の夢に己の全てを賭ける田原紹忍と、この期に豊後制圧を狙う老練な黒田如水が激突したその戦いを中心に、参戦した諸武将の仁義、野望、矜持を練達の筆致で詩情豊かに描いた傑作小説。

20140309_book1

著者の本はよく読んでいる。
映画 『切腹』 リメイクで、『一命』 の原作者である。
特に九州、薩摩島津、大友、竜造寺関係の作品が好きだ。
若き日の、立花宗茂も描いている。わざわざ筑前岩屋城を見に行った。奥さんにあきれられたが・・・・・・
関ヶ原の合戦の地方版、九州の黒田如水の戦いを描いている。
と言うより大友家再興の為の戦いの相手が、黒田如水である。
題名は、もともと「悪名の旗」だったが、「西の関ヶ原」に改められている。
東北の関ヶ原、上杉景勝・直江兼続と並ぶ戦いか?

大友宗麟の息子、吉統が親に似ない不出来で、朝鮮でヘマをして改易される。
再興のチャンスが訪れる。
太閤亡き後の三成と家康の争いである。 
ここでどちらにつくのか間違ってはいけない。
大友家の旧臣がいる。他の大名に預けられている者もいれば、帰農している者もいる。
この旧臣たちが動くが、つくのは当然三成ではない。家康である。
ここで海千山千の黒田如水が立ちふさがる・・・・・・
元大友家家臣、田原紹忍が主役になる!
大友家衰退の責任者のようになっている。悪名を背負っている。
が高名な、日向耳川の戦いで島津に記録的な敗退を喫する。
これは大友宗麟の責任であるが、田原紹忍の責任のようになっている。
敵の島津でさえ、田原紹忍の進退を褒めたが・・・・・・・
元の題名、「悪名の旗」がここから来ているようだ。

まず家康か三成かどちらにつくのか?
この判断を間違えれば後は無い。
九州は三成側が優勢である。
加藤清正、黒田長政ははっきり家康側である。
その他の弱小の大名はほとんど三成と言う。
が、歴戦の武将から見れば、勝機は家康にある。
田原紹忍は、今使える中川家に対しても家康につくよう進言する。
が吉統は大阪にいる。妻子を人質にとられて三成につく。
そして豊後に帰って来る。
そこから田原紹忍の戦いが展開される。
読んでいて、戦国時代の最後の武士の意地を感じた。
敵味方とも・・・・・
名を惜しむ!
駆け引きがある。武士の嘘は知略なのか?
黒田如水も騙すようなことをしている。
吉統に愛想をつかし、死に場所を求める名のある武将たち。
そうして死んで行く。
大友家再興は諦めて・・・・・・
最終段階になれば登場人物が多くなる。
加藤清正、井伊直政、池田輝政、藤堂高虎・・・・・・・
関ヶ原で家康が勝利してから、三成についた武将たちが対策を考える。
なりふり構わず三成側を攻撃して実績を作ろうとする。

田原紹忍も死に場所を求める。
そうして死ぬ。悪名を背負って・・・・・・
紹忍塚がある。誰が造ったのか?
ここに田原紹忍に忠誠を尽くした侍がいる。由布左京!
ここへ手を合わせに来ている。そして声をかけられる。
戦った相手の太田飛騨守一吉は、田原紹忍の首と対面した。
対面と言うのは人かどの武将に対して行われる。
普通は首実検と言う。
それにしても高位の者の首から見る。
あえて無視して、田原紹忍をたたえた。
今も悪名は消えていなようだ。
如水も、約束を守っていなようだ。そもそも約束と思っていないのかもしれない。
改めて読んだが、面白かった!

12

西の関ヶ原・滝口康彦

12

« 映画・『エンド・オブホワイトハウス』、『ホワイトハウスダウン』 ・似て似ざるものか? | トップページ | 管見妄語 大いなる暗愚・藤原 正彦 »

 黒田官兵衛 本」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 本・西の関ヶ原・滝口康彦:

« 映画・『エンド・オブホワイトハウス』、『ホワイトハウスダウン』 ・似て似ざるものか? | トップページ | 管見妄語 大いなる暗愚・藤原 正彦 »

2019年11月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
フォト
サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想

カテゴリー

無料ブログはココログ