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2016年7月 1日 (金)

本・世界インテリジェンス事件史(2011/9)・佐藤 優

インテリジェンスの行使は国家の権利ではなく義務である。食うか食われるか…世界は冷酷である。いま日本が危ない。
尖閣諸島は日本固有の領土で、わが国が実効支配しているが、中国は、この現状を崩し、尖閣諸島を中国領に編入する機会を虎視眈々と狙っている。
CIA、KGB、モサドといった各国の主要インテリジェンス機関の仕組みを解説するとともに、スパイが暗躍した歴史的事件を分析。
かつてインテリジェンス大国だった日本の凋落を嘆き、新生日本に向けた的確な提言を与えている。

20160701_book1

著者の持論がある。
インテリジェンス能力は国力に比例する。
やはり大国ほどインテリジェンス能力がある。一概に言えないが………
第2次世界大戦の日本のインテリジェンス能力は優秀だったと。
戦後アメリカに変に陥れられている??
日本のインテリジェンス能力は無かった??
読んでいてそんな事は無かったと言う事が、著者のおかげで分かった!

見せしめの為に、犯行声明を出す様な暗殺は別であるが、足が付くような暗殺は普通やらない。
事故に見せかけるか、痕跡を残さないように暗殺する。
ロシアのリトビネンコの暗殺がある。
「ポロニウム210」と言う放射性物質を使用している。
暗殺に、そんな放射性物質は使わない。
まるばれするようなことはしない!
それよりこの放射性物質が何故流出したのかの方が問題である。
著者の推測には納得できる物があるし、イギリス諜報部が絡んでいる遺書のあら探しには感心する。

インテリジェンス事件史としては、まずゾルゲ事件がある。
この内容については日本人として気分が悪くなる。共産主義に共鳴して情報を渡した日本人がいる。
が記述してある事で面白い内容がある。
①   日本人は噂が好きである。
②   女も諜報活動に役に立つ。スパイなんかやっていると、生と性の欲望が強くなる!
③   上位の人間は、知らないんですか?と言われる事に耐えられないので喋ると言う。
これはメチャメチャ良く分かる。
実際に上司が聞いていないのと思われるのが嫌で、要らん事まで喋っている例を知っている。

アイヒマン奪回作戦! と言うより奪取作戦である。
これはよく読んでいるので理解し易い!
「世界に同情されて滅びるより、世界中を敵に回しても生き残る」
ユダヤ人だからの言葉か?
マイケル・バー・ゾウハー、小谷賢のモサドの本で理解しているつもりである。
そのイスラエルでもヘマをする時がある。
第4次中東戦争である。
国家の存亡の危機にさらされた。
反省は当然ある。

アメリカの諜報機関は巨大である。
著者は日本はアメリカのCIAを見習わない方が良いとしている。
アメリカは最強の軍事力を持っている。
多少の情報のミスでもカバーできる。
イラクの生物化学兵器が無かったとしても、批判はされるが誰もアメリカに文句は言えない!
処分される人間もいない!
官僚化と学歴偏重の傾向があるようだ。
日本はそんな軍事力は無い!アメリカCIAは参考にならない!
参考になるのはモサドである??

韓国・北朝鮮・中国にページを割いている。
尖閣の問題は、領土問題は無いと言う事が重要である。
なので、中国人船長を逮捕して国外退出させたのは正しいと!
北朝鮮は金日成著作集がある。
これに縛られている。
すでに死亡しているので新しい命令は出来ない。
なので新しいメモ等が発見されたとして、方針を変える???
そう言う風な事が行われる。
韓国との遭遇戦の武器使用も金日成にこだわりがある??

北朝鮮も複雑である。軍に党がある。
最近はミサイル発射で失敗が続いている。誰か責任を取らされているのだろう………
北朝鮮のインテリジェンス機関がある。
労働党の傘下に、「作戦部」「対外連絡部」「統一戦線部」「第35号室」とある。
「第35号室」に精鋭が集められている。
労働党から軍へと傘下元が移動している。
この諜報機関とも裏で交渉出来るようにしておかなければならないと!

公開情報で情報をつかむ。
人脈、過去の業績を入手する方法に、新聞の地方版がある。
過去にさかのぼって調べると怪しまれる!
中国、ロシアはお互いの情報を豊富に持っている。
著者が良く言う、北朝鮮情報はモンゴル??
諜報員とはある程度は情報交換して、知りたい情報を得るようにする。
一歩間違えば逮捕される恐れもある。
昔、新聞の人事情報で、作戦を推理した例を知っている。
調査後、スパイは新聞だったと!!
凄いと感心した記憶がある。
中国はルールに乗らないようだ。
スパイ活動と言ってもルールはあるようだ。
と言っても造ったのは欧米である。
中国はバチカンと対立しているようだ。
チベットとも対立している。
独自にやろうとしているので、各地で揉める!
実際に日本では何をしているか分からない!
平気で技術も盗むようだ!

「ウィキリークス」
機密情報暴露サイト。
アサンジュ氏はアナーキズムと言う。
「市民主体の世界を築き、腐敗した組織に対抗する」
知能犯である。いくらでも法律の抜け道を考え出す。
識者は、秘密暴露が悪影響を与えていると認識していても、政府が弾圧すると政府を批判する。
なので、各国は表だってこの組織と対立しない。
損得勘定である???

最後が日本である。
失われたインテリジェンス能力と言う。
「統帥参考」は役立つと言う。
その例が豊富に記述されている。
読んでいて面白い。解説してくれている。
完全な情報を待っていてはダメと言う。
しかし中途半端な情報で動けば余計に問題になる。
9・11は情報の海に溺れた。
イラク開戦は中途半端な情報に踊らされた。
難しい!!

杉原千畝がいる。
当時のポーランドには情報分野の逸材が揃っている。
ポーランドは調査し、杉原は金では動かない。情報で動くと!
それによりビザの印を押すはずだと!
実際に押した!
が痕跡は残していない。これが超一流のインテリジェンス・オフィサーである。
日露戦争時は日本のインテルジェンスは冴えわたっていたと言う!

「統帥参考」にある。
高級指揮官は常にその態度に留意し、ことに難局にあたりては、泰然動かず、沈着機に処するを要す。…………
ようは東北大震災での管首相の態度を批判している!
愛国心、語学力、歴史や哲学などの教養を備えたインテリジェンスの専門家を国家意思で育てる事が重要である。

いつもながら大変面白い本である。
著者も敵は多そうである。
頑張って欲しいと言われれば迷惑だと思う!
順次読んで行くつもりであるが、メチャメチャ溜っている。
読んで行くはなから書いている感じがする。
楽しみである! 

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