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2016年7月24日 (日)

本・日本婦道記・山本周五郎

千石どりの武家としての体面を保つために自分は極端につましい生活を送っていたやす女。彼女の死によって初めて明らかになるその生活を描いた『松の花』をはじめ『梅咲きぬ』『尾花川』など11編を収める連作短編集。厳しい武家の定めの中で、夫のため、子のために生き抜いた日本の妻や母の、清々しいまでの強靱さと、凜然たる美しさ、哀しさがあふれる感動的な作品である。

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昔、遠藤周作を読んだ。
結婚前に男性が事故に遭う。
婚約者がいる。
破談にしてもおかしくない。
この時、破談になれば「生活」を選んだことになる。
そのまま結婚すれば「人生」を選んだと!
読んでいてそのエッセイを思い出した。
この本、知り合いの若い女性は絶対に読まない!
この中の女性の生き方なんか、「絶対におかしい!」と言いそう・・・・・
時代の移り変わりを見ている著者から見ての女性像ではないかと思うが・・・・・・・
昭和17年から21年に執筆された読切連作小説である。
時代が時代である。
日本女性の美しさは、その連れ添っている夫も気づかないというところに、非常に美しくあらわれる!

①   松の花
妻の死後、家の格式を保つためにどれほど苦労していたか。下働きの者達にどれほど慕われていたのかが、初めて分かる
②   箭竹
矢があり将軍の目に留まる。「大願」と彫られている。献上先を調べる。
刃傷沙汰があり妻と子供が追放される。が主君の国替えに貧しくともついて行く。
夫の尽くす主君と思い・・・・・・・
やがて竹の名産地で矢を作る。思いを込めて「大願」といれる。
家は再興される。
③   梅咲きぬ
「妻の心」
本当に大切なものは、人の眼にも見えず、誰にも気づかれぬところにある。
学問諸芸を極めようと思えば、妻の心に隙が出来る。主人の母が才能があるのに極めるまでに止めている。その理由を母が教えてくれる。
④   不断草
上杉家の藩内抗争に巻き込まれる。半年で離縁される。が目の悪い母の面倒を名を秘してみる。母が好きな食べ物が不断草。やがて抗争の内容が分かる。母も本人と気が付いている。
⑤   藪の影
祝言を上げる前に夫が斬り合いをする。家に帰らずにそのまま妻となる。
そうしてその斬り合いの原因が分かる。友の過失をかばい、困難を分け合う。
一体自分はどれほどの事をしてきたのだろう・・・・・
⑥   糸車
貧しくあり養女に出される。が実家は裕福になる。親元へ帰る話があるが結局養女先に戻る。実家では不自由なく暮らせるが・・・・・・・
⑦   風鈴
風采の上がらない仕事を忠実に勤めている。部署を変わる話もあるが本人は断る。
妻もまわりから色々言われて不満がある。が夫の言葉により生きがいとは何かを思い知る。貧しくあってもかけがいのない者になる。
⑧   尾花川
幕末の志士の話になる。言うだけで動かず美食を食らって酒を飲む。それを暗に妻に批判され悟らされる。
⑨   桃の井戸
妻を亡くした子供がいるところへ、後添えとして行く。悩みもあるが老女が助言してくれる。その交流が描かれている。
⑩   墨丸
幼馴染の物語である。思いを寄せ合うが女は自ら身を引く。そうして老年の時期に再開し、思いを打ち明け合う。
⑪   二十三年
女性は奉公先の主人に尽くす。主人も本人の為を思って家に戻そうとする。が奉公の女性は妻をなくし子供が小さいのでとどまりたい。
そうして事故に遭い白痴をよそおってまで主人と子供に尽くす。

こうあるべきと言う著者の思いの女性列伝か・・・・・

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