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2016年8月28日 (日)

雑誌・日本軍「戦略なき組織」検証 失敗の本質⑥ 航空決戦と「航空機産業」の崩壊

ダイヤモンド社、ハーバード・ビジネス・レビュー・(2011/1)
整理していたら出て来た雑誌である。
この中に興味深い章がある。
航空決戦と「航空機産業」の崩壊・新治 毅

20160826_book1_3

日本の航空機の生産性の問題である。
石原莞爾がアメリカとの最終戦争に勝ち抜くために国力を充実させる。
それが満州と言う。
アメリカ通と言う山本五十六は、デトロイトとピッツバーグを見ただけでアメリカと戦争など出来ないと言っていたようだ。

欧米のものまねから始まり、自国でエンジン・機体を製造出来るようになった。
短期間でそこまでになった。
やはり無理している??
傑作機ゼロ戦も造った。
佐貫又男が記述している話がある。
日本はドイツより同盟の関係で、ダイムラーベンツの高性能エンジンをライセンス生産している。
液冷エンジンである。 Bf109のエンジンである。
これを使った戦闘機が、『陸軍3式戦闘機 飛燕』である。
高性能機である。
和製メッサーシュミットと言われた。
がエンジンの不調に悩まされた。
シャフトが造れない。
その為に佐貫又男はドイツにまで行った。
がドイツでは、「何が難しいのか?あんな物、バーンとひっ叩けば出来る!」
そう言われたようだ。
それを造るにはアメリカ製の工作機械が必要である。
輸入禁止で手に入らない。 やはり技術の差はあったようだ!

経済性を無視した、他機種同時生産。
三野正洋が良く記述しているが、日本は差をつけたがる。
全ての機種が生産されたわけではないが、海軍は基本型53種、改良型112種。
陸軍は基本型37種、改良型52種を試作した。
結局基本型90種、改良型164種を開発した。
多すぎると言う!
生産性、大量生産を考えていなかったようだ。
部品の共通化、工程の簡略化等は考えられていない??

航空産業は、金属・非金属の資材、計器・通信機・搭載兵器・燃料と極度に分化された、
精密機械工業を基盤として成り立っている。
国の総合力を表しているのか??
開発は設計条件を示して複数の企業に競争させる。
ドイツはBf109で戦争に突入した。3万機以上製造されている。
同時期にライバルハインケル社がHe100と言う高性能機を開発した。
どうもBf109より性能は上のようだった。
がエンジン等Bf109とドイツ空軍は決めている。
Bf109で戦争に突入した。
最後まで第一線で稼働した。
他にはFw190がある。これも2万機以上製造された。
イギリスはスピットファイヤーにハリケーンである。
スピットファイヤーにBf109は余裕がある。
なので性能向上が出来る。例えばエンジンの馬力を上げれる。
当然速度は増える。
開発機種はやはり多いが、機種を絞っている。

アメリカは工業国である。
各国の製造機数がある。
1944年、アメリカ10万機、ドイツ約4万機、イギリス2万6千機、日本2万8千機。
日本もよく造ったと思う。
ドイツとイギリスは同じぐらいである。が1944年の制空権を失いつつある時期に最高の製造である。
ドイツはアルベルト・シュペーア軍需相がいる。
やはりアメリカは凄い!
大戦初期の戦闘機はゼロ戦の敵ではなかったようだ。
P40である。
アメリカと日本は空軍は独立していない。
海軍航空隊、陸軍航空隊である。
陸軍はP40、P38、P47、P51と開発している。
それぞれ特徴があり、最優秀と言われるP51を開発した。
それぞれ1万機近く製造されている。
海軍はF4F、F6F、F4Uとある。
持てる国は違う!!

日本は海軍は最後までゼロ戦で戦っている。
紫電改、雷電もあるが局地戦闘機である。
陸軍は、隼、鍾馗、飛燕、疾風、5式戦とある。
隼は格闘戦重視、鍾馗は一撃離脱型、飛燕は和製メッサーシュミット(開発は日本独自)、
疾風は重戦闘機、5式戦は飛燕のエンジンを空冷エンジンンに変更。
差をつけたがる。
もっと絞るべきである!

どこも陸海軍は仲が悪い。
日本の場合も資材の取り合いになっている。
「海軍は日本陸軍と戦い、その余力でアメリカと戦っている」
常に資材不足と言う。
ジェラルミンをゼロ戦は使う。軽量である。
が大戦末期になると相当粗悪な材料になったようだ。
これは司馬遼太郎が詳しい。
司馬遼太郎は戦車兵である。
配属された時、戦車の装甲は特殊な金属が使用されていてやすりがかからない。
大戦末期、その感じをもう一度感じたいと思いやすりをかけたらかかったと言う!
規格の資材を使っていなかったようだ………

イギリスは資材不足を見越していたのか??
木製のモスキートを開発する。
これは高性能機であった。
そう言う技術力がある。

搭載機銃の事もある。
これも三野正洋が詳しい。
機銃は7.7mm、12.7mm、20mmの3種が基本である。
これの組み合わせになる。
小口径ほど弾は多く詰めるが、威力で劣る。
ゼロ戦は7.7mmX2、20mmX2である。
隼は7.7mmX2。
日本とドイツは組み合わせが多い。
イギリスは小口径を多く積む。7.7mmX8とか言うのもある。
問題はアメリカである。
ブローニング12.7mmと言う高性能機銃がある。
初速が速く、弾道性能が良い。まっすぐ飛ぶ!
この機銃を陸海空軍でそれぞれの用途に合わせて使う。
爆撃機も12.7mmが多い。
日本は同じ20mmとは言え、陸軍と海軍では同じ弾を使えなかったようだ。

航空機を製造すると言う事は、戦争になれば工場は重点目標で攻撃される。
となれば工場の防衛を考えなくてはならない。
ドイツは分散、森の中とかに工場を造っていたようだ。
日本は国土の狭さの事もあるが考えていなかったようだ。
工場に飛行場が隣接されていない。
道路事情も悪いので、震動を与え無い為に牛車で運ぶ!
生産性なんかあったもんじゃない!

戦争中にドイツから技術者が来ている。
状況を見ているが、かなり遅れていると感じたようだ。
欧米は自動車産業が先行していて、航空機産業に転換出来たようだ。
日本は航空機産業が先行した。

開戦前に、井上成美海軍航空本部長が申し送っている。
日米開戦となったら、海軍は1年で7000機の航空機の所要があるが、昭和16年4月で年産2352機に過ぎない

①   下請け会社との連携不足
②   徴兵による熟練工の不足
③   資源不足による品質低下
④   航空機稼働率の低下

下請け会社との連携は、工場の立地条件、飛行場が隣接していないことなどがあげられている。
戦争は消耗戦である。
日本の航空機産業は欧米から技術を学んだが、産業として育成・進歩させるビジョン、実現を支援する制度・方針の設計等に欠けていた。
基礎的な技術に欠けていた。

大所高所から一貫して考える人と組織が無かった。
総合調整が出来ていないので、陸海軍が対立した。
出来れば飛行機の機種の統一、部品の規格統一が可能になったかも知れない。
しかし、軍備拡張だけに目を奪われて、航空機産業に対し、国家的視野に立った戦略的な政策を取らずに、作戦現地からの航空機所要や要請に応えていたようだ!
要は目先にとらわれて、総力戦を行う体制も能力も無かったようだ………

余談になるが、機種統一、大量生産についての知っている事がある。
機種統一については三野正洋が記述している。
隼は必要なかった??
ゼロ戦の着艦装置を外した陸軍型を隼とした方が生産性は上がる。
実際にゼロ戦の方が性能は良いようだ??
武装も強力である。
協力する気があったのかと思うが………

奇跡のエンジンと呼ばれた「誉」
繊細である。整備に大変である。
日本は職人芸の世界が広がっている??
大量生産に向いている。
要は戦争は消耗戦である。
いかに大量生産できるか??
そう言う事も考えていない。

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