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2016年8月28日 (日)

雑誌・日本軍「戦略なき組織」検証 情報敗戦④ 合理的に失敗する組織

ダイヤモンド社、ハーバード・ビジネス・レビュー・(2011/1)
情報敗戦 合理的に失敗する組織 菊澤研宗

20160826_book1

題名を読むと合理的とある。
実情は不合理なのか??
山本七平の『空気』が出て来る。
猪瀬直樹も空気の事は記述していた。

戦艦大和の沖縄への特攻出撃の話である。
その過程の話である。
日本軍組織の意思決定プロセス注目し、『空気』の存在と非合理性を追求した。
空気が発生すると意思決定者は沈黙し、沈黙と言う合意の下に、組織は不合理な決断をする。

不正を働いた社員はそう言う『空気』が社内にあった。
上司は不正を容認せざるをえない『空気』があった。
部外者は、そう言う『空気』があった。
空気を持ちだすことにより、当事者は追及を免れ、自己正当化が出来る。

戦艦大和の沖縄への特攻がある。
合理的判断がある。
沖縄まで行けるかどうか分からない。
例え行き着いたとしても無傷では無い。機関・水圧・電力は無傷で無い限り主砲の射撃は出来ない。
伊藤長官は合理的に反対する。他の艦長も反対する。
「一億特攻の先駆けになって欲しい!」
その一言で特攻を了解する。

天皇への報告で、航空機による特攻を出していると。
軍艦はもう無いのか?
これを水上艦は何をしているととった。
陸軍が必死で戦っている。
海軍はどうなのか?
特攻で航空機は戦っている。
水上艦は何をしているのか??

合理的な判断は飛んでしまう。
我々は死に場所を与えられたのだ!
『空気』が発生したと言う。

人間は機会があれば相手のスキにつけ込み利己的利益を追求する。
自由に取引する場合、駆け引きがある。
多大な無駄が発生する。
この無駄が『取引コスト』と言う。

①   大和の特攻は非合理で非効率である。それを訴えれば熱情型の軍人から卑怯者と言われる。冷静かつ論理的に反対しても言い逃れと言われる。
②   天皇陛下の説得。水上艦隊は何もしていないのか?
③   海軍を象徴する水上艦隊を温存するわけにはいかない。大和は役に立たないと思われ始めている。
④   敗戦近いこの時期、敗戦となれば戦利品として見世物にされる可能性が高い。
多大な取引コストが発生する。

それを計算すると、特攻に出した方が合理的と判断されるようになる。
空気が支配している。
もはや反論出来ないとして、沈黙する。
『空気」が生まれ、大和は特攻に行く。

この空気に水を差すにはどうするか?
参加者の負担する取引コストを低減し、社会的合理性と個別合理性を一致させる。
取引コストを納得する形で下げれば水を差せる。

特攻に向かう伊藤長官の上空護衛に息子がいたようだ。
その後息子も沖縄特攻で戦死する。
伊藤長官は状況次第で引き揚げる権限を貰っている。
そのおかげで雪風等が助かっている。
ホッとする話である。
伊藤長官は山本五十六に黒島亀人を勧めていたと思う。
有為な人ほど責任を感じて死んで行く!
この作戦を推奨した神重徳も戦後水死している。
死に場所を求めていたのか?

空気の例。
①   世論が許さない。
②   二人並べば悪と言うイメージが出来ている。(鈴木宗男・佐藤優・すいません!)
③   東芝の虚偽報告。反対できる雰囲気ではない。

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