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2016年8月28日 (日)

雑誌・日本軍「戦略なき組織」検証 失敗の本質 情報敗戦⑤ 本当に「欧州ノ天地ハ複雑怪奇」だったのか

ダイヤモンド社、ハーバード・ビジネス・レビュー・(2011/1)
航空機産業に続いて読んだ。短編で読みやすい!
情報敗戦 本当に「欧州ノ天地ハ複雑怪奇」だったのか 杉之尾宜生

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欧州の地は複雑怪奇と言って辞職した。
平沼騏一郎首相!
あることで良く知った名前である。
街道をゆく4『丹波篠山街道・光秀の反乱』に登場していた。
亀岡城に行った時に、「街道を行く」を読んだ。
平沼騏一郎と言う検事総長がいる。
単なる官僚でなく、思想右翼の団体、国本社の総師である。
後に首相になり、独ソ不可侵条約を結ばれ、ヨーロッパは奇々怪々と言って内閣を投げ出した。
著者言う、能力が無いが、能力が無くても権力を握れば弾圧は出来る。
この平沼騏一郎が良い例と言う!

1921年1月、平沼騏一郎検事総長は大本検挙の判断を下した。
国家主義国家というものは、民衆を動かす強力な民間団体を喜ばない。
そうして些細な事で弾圧した。
司馬遼太郎もきつい!
そこまで言うのか!
その人が首相になる。
負けるべきして負けた感じがしないでもない。

ノモンハンの戦いがある。
日本は惨敗している。
がソ連の資料が公開されるに従って色々な事実が出て来ている。
ソ連の損害も多かったようだ。
これを持って又何かと騒がしい人がいる。
ノモンハンの戦いは、ソ連は周到な準備をしている。
ジャーコフを派遣している。
ここで日本を叩いておいておとなしくさせる。
いかにソ連とは言えども独、日との両面戦争は厳しい。
そう思うと、ドイツは何を考えて両面で戦ったのかと思うが………

よく言われるが、日本はソ連の機械化が信じられない。
日本が出来ないからソ連も出来ないと思ってしまう。
それで動員を計画する!

ロシアのメドベージェフ大統領がこの戦いが、第2次世界大戦の勝利の帰趨に大きな影響を与えたと演説した!
この勝利の意味を変更するような、歴史の捏造は許されない。
捏造では無く、実際はどうだったかの検証は必要である。
が検証により、もっと頑張ればよかったと、精神論に走る人も多いだろう。

日本は兵二万数千人に火砲100門、戦車0。
ソ連は兵五万数千人、戦車498両、装甲車385両、火砲門、航空機515機。
勝てないと思う。
ジャーコフは日本の下士官と兵を誉めた!
実際に相当な損害を与えている。
指揮官が無能とは言われていた。
このソ連軍の実数をつかんでいない。
精神論で何とかなると思っている。
大体、本来なら辻政信が腹を切らなければならない!
現地の司令官に責任を押し付けている!

その後独ソ不可侵条約が結ばれる。
「欧州ノ天地ハ複雑怪奇」と言って辞職する。
実際はどうだったのか?

①  情報分析:リュシコフ大将の亡命の影響
②  情報活動:陸軍大佐土居明夫の対ソ情報報告
③  外交情報:独ソ関係の見直しの誤算

リュシコフ大将の亡命の影響はあった。ドイツからも尋問官が来た。
ゾルゲが登場する。
いかにリュシコフの情報が当てにならないかを吹き込む。
ゾルゲの最大の貢献とも言う!

土居明夫は良く知っている名前である。
谷光太郎の本には良く出て来る。
実際に自分の目で見て判断する。
シベリア鉄道の貨物列車の数から物量を判断する。
いい加減な情報は信じない。
がソ連の脅威を主張すればするほど、ソ連が怖いのか?
と言われる。

この時期、白鳥イタリア大使、大島ドイツ大使と出先で勝手な事をしている。
この大島大使は、ドイツ・リッペントロップ大臣(ビスマルクの再来とおだてられている)に独ソの提携についての示唆を受けている。
がこの報告は外務省が無視したようだ。大島大使、白鳥大使に問題がある。
天皇陛下が嫌ったようだ!
事前に陸軍もこの情報はつかんでいる。
が有効に使えない。
独ソ不可侵条約で、ソ連との連携を主張し始める日本。
一貫した考えが無いのかと思うが………
決して「欧州ノ天地ハ複雑怪奇」では無かったようだ!
ただこの独ソの接近がいつまで続くかの判断は出来ていないようだ!!

ノモンハン事件の教訓
①  要求する:情報要求・情報関心の明示はトップの責任である。
②  集める :インフォメーションを収集する。
③  処理する:インフォメーションを分析処理してインテリジェンスに転換する。
④  判断する:トップの情報要求に対して、情報見積もり・情勢判断をする。
⑤  報告する:トップおよび関係者に適時に報告・通報する。
スターリンは独ソの二方面の戦争を回避したい。

その為に、情報を集めて、判断して実行した。
そしてノモンハンの勝利である。
日本は土居明夫のように貴重な情報をつかんで来ても無視される。
上層部に判断出来る人間がいない。
総合的に判断出来ない!
現地の幕僚が勝手に動いても追随するだけである。
ソ連では死刑であるが、日本では許されていた。
指導者も現実に生起する社会現象を分析・評価して、現実の問題を社会科学的に制御しようとする態度と能力を涵養しなかった。
情報活動・組織構造・戦略が有効に機能していない。

「人間は歴史から何ものも学ばないことを、歴史から学ぶ」
要は反省も表面上の事と言うみたいである!

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