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2016年12月 3日 (土)

本・官僚たちの八月十五日(1986/7)・佐瀬 稔

昭和20年8月15日。日本の超エリート達は、その時何をしたか?開戦、終戦時の官僚たちの去就をドキュメントタッチで鋭く描く!!

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この本は著者で買った。 著者の本は昔よく読んだ。
ボクシングに造詣が深い。
スポーツにノンフィクションと、アルピニストの事も書いている。
中ソ戦争勃発す!〈第三次世界大戦・アジア篇〉等の架空戦記も書いている。
これは面白かったが………
二宮清純の師匠のようだ! 二宮清純の本もよく読んでいる!
当然ブックオフで見つけた本である!
読んでみたら、メチャメチャ面白い!!
「日本の一番長い日 佐瀬稔バージョン」である。

革新官僚たちの終戦がある。
政党政治で首班がコロコロ変わっていた時代である。 今もあまり変わらないと思うが………
軍がクーデターもどきの事をして平気で脅す。
そして戦争になり、終戦を迎える。そう言う時代に官僚たちはどう動いたか??

陸軍と警察がもめた件がある。この話は中学の社会の先生が教えてくれた!
信号無視した兵がいる。
これを咎めた警察と揉める。
陸軍も引かない。天皇の軍隊である!
警察も内務省が応援に入る。「負けるな!!」
ここでも軍は統帥権を持ち出しているようだ!
信号無視は明らかなのに、居直る軍も問題は多いのではないか………

そう言う時代である。
二・二六事件で軍の恐ろしさを政治家も感じる。
この事件を起こして、人を殺しても許されと思っていた人間も多い。
又趣旨は正しいとして、刑の軽減を求める軍首脳!
メチャメチャな時代である。

読んでいて思うが、死んでいてもおかしくない状況で幸運にも生き残れた人も多い。
岸信介・福田赳夫・大平正芳・池田勇人・佐藤栄作・中曽根康弘・宮澤喜一。
総理大臣になる官僚たちが何をしていたか??
これは面白い!
巧妙に居眠りしていた大平正芳
それに高名な名前が出て来ている。
後藤田正晴!
後藤田正晴も、予定された飛行機で帰国すれば死んでいた。
がそれに乗らずに別ルートで帰った。 何か嗅覚が働いた???
事を為す人はそう言う「運」を持っているのか??
戦後さっさと見切りを付けて、選挙活動に走った中曽根康弘???

永田鉄山がいる。 もし生きていれば陸軍も変っていたと言う。
非人間的抑圧にあえいでいる小作農擁護の問題がある。
石黒忠篤がいる。日本の農政史に大きな足跡を残した。
「陳情も要求も出来ない、来たところで満足に話も出来ない人を相手にする」
「諸君の貰う給料は、人民の血税なのだ。人民のおかげで暮らしていることを忘れるな」

終戦前に岸信介は地方総監をやるように言われる。
任地を山口に近い広島を希望したが先に担当が決まっていた。
これで原爆を免れた………
逆説めいた話になるが、資源が無く、石油の道を断たれ、3年半以上戦えたのは、
そう言う日本に戦争を選択させてしまったのは、官僚たちの抜群の統制手腕だった……

賀屋興宣がいる。 
戦前の財務を何とかした。
軍人に任せておけば予算も取り放題である。
脅しもかけられる!!
軍の横暴に対して警察も動く。
夜間演習として動き回っている。いつでも襲うと言う意思表示である。
予算編成で譲らない! 高橋是清大臣である。
米ソの2面作戦なんか出来ない! 国防は守れれば良い!
モスクワ、ワシントンを占領するのか?
が二・二六事件で殺される。
たき付けた賀屋興宣は、「俺が殺したのか?」
次官を3ヶ月勤めて、結局大臣になる。 
戦後の日本の復旧が奇跡と言うなら、この軍とのやり取りで予算を組んで戦争したのも奇跡と言う!
① 国際収支の均衡を得させる方策
② 物資の需給を均衡させる方策
③ 生産拡充についての具体的計画の確立
賀屋が戦争できる、軍をして戦争に没頭せしめたようだ!
それが戦犯への道になった………

外務省の話がある。
戦前の外務大臣は、外務省のOBが務めた。 今は政治家で順番を待っている??
白鳥は一生歌わないが、死が迫るや、生涯にただ一度、美しい歌を歌う。
終戦前の秀才外務官僚は、最後の歌を歌った…………
東郷外務大臣である。
駐独大使でありながら大島浩が勝手に運ぶ! 10カ月で転任になる。
独ソ不可侵条約が結ばれる。 大島中将も知らない。
三国同盟へ松岡洋右が走る。 重光葵が反対する。 日米交渉には松岡が障害になっている。
松岡は三国同盟でアメリカをけん制するつもりだったが、挫折する!
16年10月に東條は東郷を外務大臣にする。
翌年辞任。辞職を勧められるが断る。断固拒否のつもりであるが、天皇にこの時期内閣が潰れる事を望まず、辞職する!
終戦前に再び外務大臣になる。
A級戦犯とは酷であると思うが………
ソ連大使は宣戦布告文を受ける。
8時間後だと思ったが、1時間後に攻撃してくる。
そう言う物なのか?? 日本も他国の事を言えないが………

天皇陛下をマイクの前に立たそうとした。 国民・軍を納得させるのは天皇しかいない。
それを天皇にお願いする、下村海南。 命がけだったんだろう………
天皇は納得し、マイクの前に立っても良いと!

終戦時、治安をどう守るのか?? 大変な時代を生き抜いている!
戦前から終戦までの官僚たちがどうしていたのか??
軍に積極的協力した官僚もいる??
獄中の官僚もいる。 そして8月15日が来る。
「日本の一番長い人」と一緒に読めば、その日がもっとよく分かる本である!!

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官僚たちの八月十五日・佐瀬稔

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